【実はタネを食べている】お米は稲の種子である!

ただでさえ小さい米粒をより細かく見ていこう

昔の人は、どうして種を食べようと思ったのか…

米に限らず、昔の人はなぜこんなもの食べようと思ったのか!と思うゲテモノ系食材は多々あります。そういった意味では、先人の冒険心から私たちは今、美味しいものが食べられているのかもしれません。ゲテモノではありませんが、その中の一つにお米もあると感じています。

繰り返しになりますが、お米はイネという植物の種子(タネ)であります。従って、私達はいつもイネの種をたくさん頬張っている事になります。当然タネのままでは固いので、炊飯する事で柔らかく食べやすくなった物を口にしている形になります。(実際にはタネの美味しい部分だけを食べている形となります)

お米の正体はでんぷん

白いお米として食べている部分は、この種子の胚乳と呼ばれる部分になります。胚乳はタネが発芽する時に養分として使われる役割を持っており、主成分はデンプンです。小学校の理科の実験で、ヨウ素溶液を垂らすと「青紫色」に変色するというあのデンプンと同じ物です。

胚乳にくっついた状態で胚芽という物が存在しますが、胚芽には胚乳よりもより豊富な栄養素が存在し、ビタミンB1・ビタミンB2・ビタミンE等、様々な栄養素が含まれております。食物繊維が豊富なのも特徴の一つで、整腸作用がある反面、消化不良を引きおこす可能性もある為、小さなお子さんが食べる時には過剰摂取しない様に気をつける必要があります。

お米の構造

胚芽・胚乳は「果皮・種皮・糊粉層(こふんそう)・亜糊粉層(あこふんそう)」からなる糠層と呼ばれる部分に包み込まれております。一般的に糠層は「糠(ヌカ)」と呼ばれており、胚芽に負けないくらい栄養満点な食物です。お漬け物の糠漬けは、このお米の糠を利用しており、麹菌・乳酸菌・酵母菌等が複雑に関係し合って、栄養や旨味を独特に変化させています。その旨味が浸透作用により野菜に染み込んで、美味しくて栄養豊富な糠漬けの完成となります。糠層のそれぞれの特徴を簡単に説明すると、

  • 果皮・・・玄米の一番外側の部分で、黒褐色の硬い皮
  • 種皮・・・薄いフィルム状の膜で、水を通さないロウ部分
  • 糊粉層・・・リン酸やカリウム、マグネシウムを多く含むタンパク質の顆粒で、これらを多く含んだ細胞層の総称
  • 亜糊粉層・・・糊粉層と澱粉層との間の数ミクロンの白い細胞層で甘みや旨味を生成する酵素が多く含まれる(図には未記載)

お米=精米するという一般的な認識

各部位の割合は、胚芽で2~3%果種皮が4~5%で、糊粉層・亜糊粉層は1~2%となっています。その為お米の糠層は概ね10%程度と言われており、玄米を白米に精米すると、概ね1割程度(10%)重さが減るのが一般的です。

白米は、玄米から胚芽と糠層を取り除いた物を言いますが、さらに亜糊粉層までもキレイに取り除いた物が最近流行りの無洗米となっております。無洗米は美味しい部分を完全に取り除いたお米になりますので、少し勿体無い感じがしますね。

こだわりのある方は、胚芽米や胚芽付き米といった、胚芽が残った状態のお米が売られていますので、いつも食べている白米との違いを味わって見て下さい。