うるち米ともち米との違いを徹底解説!炊き方・用途・栄養まで丸わかり

お米の品種について

ご飯におにぎりに赤飯、お餅やおこわ…。日本人の食卓に欠かせない「お米」ですが、皆さんは「うるち米」と「もち米」の違いをご存じでしょうか?

見た目は似ていても、実は食感・用途・栄養面で大きな違いがあるんです。

今回は、日常の料理や買い物に役立つ「うるち米ともち米の違い」について、わかりやすく解説します。

うるち米ともち米とは?まずは基本の定義から

私たちが普段「ごはん」として食べているのは、うるち米です。炊きあがりはふっくらとつやがあり、ほどよい粘りと粒立ちがあり、カレーや寿司、おにぎりなど、どんな料理にも合います。

うるち米を漢字で書くと「粳米」。初めて見る字だ

もち米は、粘りが強く、加熱すると白く半透明になって、もっちりとした食感になります。お餅や赤飯、おこわ、和菓子などに使われることが多いお米です。

もち米を漢字で書くと「糯米」。ムズカシイ……

スーパーで「精米」と書かれている商品は、基本的にうるち米です。もち米を購入したい場合は、「もち精米」や「もち米」と明記されているものを探しましょう。

成分の違い:おいしさを決める「デンプン」に注目

うるち米ともち米の違いは、主にデンプンの種類にあります。

デンプンは「アミロース」と「アミロペクチン」の2種類からなり、うるち米は硬さを作るアミロースが約15〜20%、粘りを作るアミロペクチンが約80〜85%を占めます。
一方、もち米はほぼ100%が粘りを作るアミロペクチンで、アミロースは含まれていません。

この成分の違いが、もち米特有の粘りと弾力を生み出します。
アミロースは冷めると硬くなりやすいため、うるち米は冷めるとやや固くなります
一方、アミロペクチンだけのもち米は冷めても柔らかいままなのです。

成分 うるち米 もち米
アミロース 約15〜20% 0%
アミロペクチン 約80〜85% ほぼ100%

見た目や食感の違いは?

うるち米ともち米には、生米の見た目にも違いがあります。

もち米は白く不透明で粒が丸みを帯びており、うるち米はやや透明感があって細長い形をしています。炊き上がったあとの食感も異なり、もち米は弾力が強く、うるち米はほどよい粘りとふっくら感が魅力です。

うるち米 もち米
生米の見た目 やや透明、細長め 白く不透明、丸っこい
炊きあがりの食感 ふっくら、やや粘り もっちり、弾力が強い
冷めたとき やや固くなる 柔らかさが続く

栽培・生産地の違い

うるち米は全国各地で広く栽培されており、特に福井県、新潟県、山形県、秋田県、北海道などが有名です。

タナカ農産はコシヒカリ発祥の地・福井県福井市にあるよ

もち米の生産量は全体の約3〜5%程度と少なめで、「こがねもち」「マンゲツモチ」などの品種が知られています。

タンチョウモチは福井で作る希少なもち米

滑らかな食感と力強い粘りがあっておいしいよ

調理法の違い:炊き方にもコツがあります

うるち米は炊飯器で炊くだけで手軽に美味しくいただけますが、もち米はより丁寧な下処理が求められます。水に4〜5時間浸したあと、水を切って蒸し器で30〜40分ほど蒸すと、もちもちとした食感が際立つ仕上がりになります。

  • うるち米の炊き方: 通常の炊飯器でOK。洗米後、30分ほど吸水させてから炊きます。
  • もち米の炊き方: 蒸し器での調理がおすすめ。4〜5時間水に浸した後、水切りしてから30〜40分蒸します。

使い分け例:どんな料理に向いているの?

うるち米は、普段のごはん、カレー、寿司、おにぎりなどに最適です。

もち米はもちをはじめとして赤飯やおこわ、和菓子、ちまきなど、もちもちした食感を活かした料理に向いています。最近では、両者をブレンドして炊飯したり、もち米をアレンジレシピに取り入れる例も増えています。

用途 うるち米 もち米
ごはん・寿司・カレー △(粘りすぎる)
おにぎり
お餅 ×
赤飯・おこわ
和菓子(おはぎ、だんご)

栄養価と健康面のちがい

もち米のほうがうるち米よりもカロリーがやや高めで、同じ量を食べても約10〜20kcalの差があります。また、もち米はGI値が高く、血糖値が上がりやすい傾向があります。一方、うるち米は食物繊維をやや多く含むため、消化や血糖管理の面では有利といえるでしょう。

どちらも玄米や雑穀と一緒に食べると栄養バランスが整います。

買うとき・保存のポイント

購入時は表示に注意しましょう。「精米」と書かれているものはうるち米、「もち米」「もち精米」と書かれていればもち米です。

保存は湿気と直射日光を避け、密閉容器に入れて冷暗所に保管しましょう。開封後はなるべく早く、1〜2か月以内に使い切るのがおすすめです。

アレンジレシピで日常にもっと「もち米」活用!

もち米はお餅や赤飯だけでなく、カレーやパンケーキ、ライスバーガーのバンズなどにも活用できます。たとえば、炊いたもち米をベースにひじきやきのこ、栗を加えて炊き込みご飯風にするだけで、風味豊かな一品になります。

  • もち米入りカレーライス(もちもち食感)
  • もち米パンケーキ(米粉+炊いたもち米)
  • 和風ライスバーガーのバンズとして
  • 炊飯器で簡単おこわ(具材を加えて一緒に炊くだけ)

うるち米で作る郷土料理「五平餅」とは?

 

うるち米にも、もち米に負けない魅力があります。そのひとつが、岐阜・長野・愛知を中心に親しまれている郷土料理「五平餅」です。

五平餅(ごへいもち)は、うるち米を潰して成形し、甘辛いタレを塗って香ばしく焼き上げる素朴な味わいが魅力です。

五平餅の作り方(家庭用・2~3人分)

五平餅は家庭でも簡単に作れます。炊いたうるち米を軽く潰して、手水を使いながらまとめ、割りばしに巻きつけて形を整えます。味噌・砂糖・すりごま・しょうゆ・水を混ぜたタレを塗り、トースターやグリルで焼けば完成です。

  • 材料:
    ・うるち米 1合
    ・タレ(みそ大さじ2、砂糖大さじ2、すりごま大さじ1、しょうゆ小さじ1、水小さじ1)
  • 作り方:
    1. うるち米をいつも通り炊く。
    2. 炊きあがったら少し冷まして、すりこぎやしゃもじで軽くつぶす(もち状にはしない)。
    3. 手水を使いながら小判型または割りばしに巻きつけるように成形する。
    4. 混ぜたタレを塗って、オーブントースターまたはグリルで両面に焼き色がつくまで焼く。

香ばしく焼けた味噌だれとごはんの香りが食欲をそそります。うるち米の新しい食べ方としてぜひ挑戦してみてください。

伝統と文化:もち米はハレの日の象徴

もちつき

日本では古くから、もち米=特別な日という文化があります。

お正月の餅つきや、節句の赤飯、法事や祝い事での和菓子など、もち米はハレの日に欠かせない存在です。その粘り強さは、家族や人と人との「結びつき」を象徴するものとして、長く受け継がれてきました。

まとめ:違いを知って、おいしく使い分けよう!

もち米とうるち米。それぞれに個性があり、どちらも日本の食文化にとって欠かせない存在です。日常にはうるち米、特別な日にはもち米というように、使い分けることで食卓がさらに豊かになります。

  • 日常のご飯には「うるち米」
  • 行事や特別な日には「もち米」
  • うるち米でも、五平餅など地域に根差した美味しい食べ方があります

ぜひ違いを活かして、おいしいお米ライフを楽しんでください!

一番ぴったりな気持ちを押してね!

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