農家のお米がおいしい秘密

農家のお米がおいしい秘密

農家から直接買うお米はおいしいと言われることが多いです。なぜ、そう感じるのでしょうか。その秘密についてちょっと考えてみませんか。ここでは、農家のお米がおいしいといわれる理由について調べてみました。

お米屋さんから買うお米と農家から買うお米はなにがどう違うのでしょうか

お米の品種が単一かブレンドか

お米屋さんは、農家から直接仕入れたり、卸業者から仕入れたりしたお米を販売する専門店です。お米屋さんは、お米の品質や味にこだわり、消費者のニーズに合わせて様々な種類や産地のお米を取り揃えています。お米の品種については単一品種で販売するよりも複数の品種や産地のお米をブレンドして味やコスト面で独自性を出そうとしていることが多いです。

農家は、自ら生産したお米を直接販売しています。農家から買うお米の特徴は、それぞれの農家独自の栽培方法で育った個性的なお米が食べられることです。農家は、化学肥料や農薬の使用を抑えたり、美味しさを追求したりすることで、安全性や品質の向上を目指しています。また、農家が販売するお米はほとんどが単一品種です。コシヒカリ、ミルキークイーン、ひとめぼれなどそれぞれの品種ごとに分類しているので、ブレンドして販売しているところはあまりありません。お米の品種ごとの違いを味わえるのが特徴です。

設備や対応の違い

お米屋さんは、大規模にお米を取り扱うため、精米設備や色彩選別機などがしっかりしています。また、複数のお米をブレンドするのでそのさいにもチェック機能が働きます。着色米や異物混入の可能性は低いといえます。また、お米屋さんは、消費者と直接やりとりすることで、アドバイスやアフターサービスなども行っています。

農家は、個々に設備や対応が異なります。小規模な農家は、精米設備や色彩選別機などが十分でない場合もあり、その場合は黒いお米などの着色米や異物混入の可能性が高くなります。また、農家は、営業や販売に慣れていない場合もあります。消費者とのコミュニケーションや対応にばらつきがあるかもしれません。

設備が整った規模感がある農業者から単一品種を買うのがよいです

つまり、設備が整っていてきちんと生産管理をされているお米を単一品種で販売している農家から買うのがよさそうです。

おいしいお米を食べたいですよね。

お米のおいしさの秘密

おいしいお米は「タンパク質が少ない」のが特徴です

お米の主成分は、水分、でんぷん、たんぱく質、脂質、ミネラルなどです。これらがある一定の数値でバランス良く配合されているお米がおいしいと言われています。

お米のでんぷんには、アミロースとアミロペクチンという2種類があります。アミロースの含有量が少ないほど粘りがあり、アミロペクチンの含有量が多いほどふっくらとします。お米の粘りと硬さは、この2種類のでんぷんの比率で決まります。

お米のたんぱく質は、炊飯時にでんぷんと結合してガスを発生させます。このガスがお米を膨らませて食感に影響します。たんぱく質の含有量が多いほどガスが多く発生し、硬くパサパサしたご飯になります。

お米の脂質は、炊飯時に酸化して香りを発生させます。この香りがお米の風味に影響します。脂質の含有量が多いほど香りが強くなりますが、保存時に酸化しやすくなります。

お米のタンパク質含有量は、ご家庭で炊飯するさいに調整ができませんので、よいお米を選択するのがよいです。

お米の品種によるおいしさの違い

お米の品種は、日本では約300種類以上あります。品種によって、でんぷんやたんぱく質などの成分の含有量や比率が異なります。これらの成分は、お米の粘りや硬さ、香りなどに影響します。

お米の品種は、銘柄という名称で呼ばれることもあります。銘柄は、品種や産地などによって決められた名称で、消費者にお米の特徴やイメージを伝える役割があります。
例えば、コシヒカリは新潟県のイメージが強いですが福井県で研究開発された品種で、粘りと甘みが強いことから日本では人気がNO1です。ただしコシヒカリという品種が同じでも栽培方法によって味がまったく違います。

お米の品種は、食味ランキングという試験で評価されています。食味ランキングは、日本穀物検定協会が主な産地品種銘柄について行っている食味試験の結果に基づいて、特A、A、B、Cの4段階でランク付けするものです。

・ひとめぼれ:岩手県が発祥の品種で、あっさりとした味わいとしっかりした歯ごたえがあります。コシヒカリと初星を掛け合わせて作られました。

・あきたこまち:秋田県が発祥の品種で、粘りがありふっくらとした食感と冷めても美味しいという特徴があります。

・ゆめぴりか:北海道が発祥の品種で、プレミアムな美味しさと高い粘りと甘みがあります。コシヒカリとひとめぼれを掛け合わせて作られました。

・つや姫:山形県が発祥の品種で、光沢と粘りがあり、炊き上がりが美しいです。冷めても硬くならない特徴があります。

・ななつぼし:北海道が発祥の品種で、程よい粘りと歯ごたえがあります。バランスの良い上品な味わいです。

お米の品種によって食味は異なることがわかります。自分の好きな食感や風味を持つ品種を選ぶことができます。

最新記事の紹介

当サイトの最新記事は以下のとおりです。

タナカ農産 第341号まごころ通信 2024年11月
「お米1合はどのくらい?」お米の単位には日本人の生活と歴史が密接につながっていた
1ヶ月で食べるお米の量はどのくらい?
新嘗祭に見る日本の稲作文化と信仰心と、勤労感謝の日
<調査>お米の価格はどうなっている?