
今年も暖かくなり、自然を感じる季節がやってきましたが、同時に気になるのが「カメムシ」の存在です。
2025年もカメムシが大量発生する可能性があります。今からしっかり準備しておきましょう!

カメムシってあの臭い虫?

臭いだけじゃなくて
農家に大打撃をもたらす害虫だよ
急増するイネカメムシ

カメムシは世界には約40,000種、日本だけでも約1,300種います。
「ヘコキムシ」「ヘッピリムシ」「ヘクサ」「ヘクサンボ」「ヘヒリムシ」などと言われることもあります。
(兵庫の一部地域では「カエダ」「カイダ」あるいは「ガイダ」と呼ばれているようです)
その中でも私たちが食べるお米から栄養を取り、お米を茶色くしたり黒くしたりする元凶が「斑点米カメムシ」や「イネカメムシ」です。

カメムシの種類多すぎ

別名の共通点は「屁」(おなら)だね
イネカメムシは、体長12〜13mmほどの大型のカメムシで、水稲の穂を吸汁し、玄米に黒点(斑点米)を生じさせたり、不稔を引き起こしたりします。
その中でも米につく「イネカメムシ」が近年急増しています。
イネカメムシはかつては主要な害虫として認識されていたものの、化学農薬の普及などで一時は激減。しかし2010年以降、各地で再び発生が確認され、特に2020年以降は全国的に被害が広がっています。2023年には33府県で発生が確認されました。
【参考】農研機構中日本農業研究センター「イネカメムシの生態、被害、および防除法について」
https://www.maff.go.jp/chushi/seisan/hukyu/attach/pdf/smart-117.pdf

イネカメムシや斑点米カメムシに食われたお米は「斑点米」と呼ばれ、見た目が悪いため出荷できなかったり、品質が落ちたりします。
また、水稲のもみが実らない「不稔」が起き、収穫量が減る原因にもなります。

ただでさえ米不足の時代に、イネカメムシめ……
斑点米カメムシやイネカメムシの大量発生のメカニズムとは?

カメムシが大量発生する背景には、いくつかの自然のメカニズムがあります。ポイントは以下の通りです。
気温の影響
カメムシは成虫で越冬しますが、冬が寒いと多くが死滅します。ところが、近年は暖冬傾向が強く、成虫が冬を乗り切りやすくなっているのです。
たとえば、埼玉県の2024年の調査では、越冬成虫の密度が前年の約43倍に達し、多くの個体が生存していました。これだけでも翌年の発生リスクが急激に高まるのは明らかです。
耕作放棄地や雑草地の増加

農村部では高齢化や後継者不足により、耕作放棄地が増加しています。これらの土地は、草が伸び放題になりやすく、カメムシにとっては絶好の繁殖・越冬場所となります。
また、畦畔や水田周辺の草刈りが不十分な場合も同様で、管理されない緑地がカメムシの温床となっています。
繁殖サイクル
カメムシは通常、年に1回の発生ですが、夏が猛暑になると発育が早まり、一部地域では第2世代が発生することもあります。
とくに2023年のような記録的猛暑では、羽化予測日が通常より約3週間も早まった地域もあります。これにより、晩生品種の出穂期と第1世代成虫の羽化時期が重なり、大規模な加害につながります。

第2世代が発生するってことは、カメムシが倍になるってこと!?

2倍まではいかなくてもかなり増加するよ
雑草の穂が稲より先に出る
水田内にイネ科雑草(イヌホタルイ、ヒエなど)が多いと、それらが稲より先に出穂し、カメムシの産卵場所となってしまうことがあります。
これにより、水田内で世代交代が可能となり、通常よりも密度の高い被害が出る可能性が高まります。
2025年大量発生予測の理由

では、なぜ2025年にカメムシが大量発生すると予測されているのでしょうか? その理由は主に次の3点です。
2024年の暖冬傾向
2024年は日本全体で平年より気温が高く、特に冬の寒さが緩かったため、カメムシが冬を越す確率が高まりました。
越冬に成功したカメムシが春先から活動を始め、通常よりも早く、かつ大量に繁殖すると予想されています。
初夏から夏にかけての高温・多湿

気象庁の長期予報によると、2025年の6月~8月の平均気温は全国的に高い見込みです。
この気候はカメムシの成長・繁殖に非常に適しており、カメムシの世代交代数の増加による発生量の増加や加害時期の長期化を後押しします。
天敵となる昆虫の減少
都市化や農薬の影響により、カマキリやクモといったカメムシの天敵が減少している地域が増えています。
これにより、カメムシの天敵による自然な数の調整が機能しにくくなり、大量発生につながると考えられています。
カメムシの被害
カメムシが大量発生すると、農家にとって甚大な被害をもたらします。
簡単にいうと収穫量も収入も減ってしまうのです。
斑点米はカメムシのしわざ

斑点米カメムシやイネカメムシが稲穂を吸汁すると、籾が不稔になったり、玄米に食害痕が残ったり、斑点米になったりします。

不稔(ふねん)ってなんですか?

稲のもみがらの中がカラだったり
とっても小さかったりすることだよ
お米の中にたまに混じっている茶色や黒いお米は、カメムシが栄養を吸った痕が残る「斑点米」であることがほとんどです。
食べても問題はありませんが、農家は「色彩選別機」という機械を通して斑点米を取り除いています。


これがタナカ農産の色彩選別機
色彩選別機で取り除いたお米は当然売れません。
カメムシの害で、お客様にお届けできるお米が減ってしまうのです。
斑点米が多いと米の価格が落ちる

黒や茶色になった斑点米が多いと、米の品質や等級、そして価格が落ちてしまいます。
農家が米を出荷するとき、粒の大きさ、被害粒の有無などを必ず検査します。この検査で、斑点米の混入率が0.1%以下なら一等米、0.3%以下なら二等米に、0.7%以下になると三等米になります。
一等米になるためには斑点米の混入率は0.1%、つまり1000粒に1粒までです。1000粒に3粒までなら2等米になります。
等級が下がるとお米の買い取り価格も下がるので、カメムシ対策は農家の生活に直結するのです。

一等米の検査基準って厳しいんだね

検査基準には粒のそろい方や水分、
異物の量などがあるよ
参考:農林水産省「玄米の検査規格」
カメムシの被害を減らすために

カメムシ被害を防ぐためには、殺虫剤などの薬剤を散布するのが一般的です。
無農薬栽培では農薬に頼らずに被害を抑える工夫が不可欠です。私たちが行っている主な対策は次のとおりです。
水田周辺の草刈り

カメムシの発生源となるのは、牧草地や雑草地、畦畔の草です。とくにアカスジカスミカメは、メヒシバなどのイネ科雑草の穂に卵を産み付けます。
そのため、7月中旬までに、畦畔や周辺草地の草をしっかりと刈り取り、繁殖源を断ち切るようにしています。草刈りは、成虫が飛び立つ前の「幼虫主体の時期」に行うのが効果的です。
水田内の雑草管理

水田の中でも、イヌホタルイやヒエといった雑草が残っていると、カメムシがそこで増殖してしまう恐れがあります。
特に、これらの雑草が稲より先に出穂すると、カメムシの繁殖に適した環境になってしまいます。
無農薬栽培を行うタナカ農産では、冬期湛水(冬水田んぼ)で雑草の種を田んぼにすき込み、雑草が生えにくいように抑草作業をしています。

また、地域を上げて草刈りを行い、カメムシの被害が出ないよう除草を徹底しています。

手作業だから大変だけど
無農薬栽培には欠かせないんだ
カメムシ対策の抑草・除草で安全なお米をお届け

カメムシの発生増加には、気象・生態・農業構造など、さまざまな要因が関係しています。これらは単独ではなく、複合的に作用しており、特に近年の高温傾向や農地管理の変化が大きく影響しています。
タナカ農産では、抑草・除草によってカメムシの被害を減らして安全な無農薬栽培のお米を皆さまにお届けいたします。

お米がおいしければみんなシアワセ
【タナカ農産の米づくり】
当農産グループでは、以下のような米づくり、商品づくりに取り組んでいます。
有機JAS米・自然栽培米・無農薬米・減農薬米
白米・玄米・発芽玄米・有機加工食品(おかゆ・餅・パックごはん など)
単に「収量」や「効率」を追うのではなく、土づくり・水管理・地域の自然環境との共生を大切にしながら、人の体にも、環境にもやさしい米づくりを続けています。
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このブログでは、主に以下のような内容を発信しています。
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