【農家直伝】田んぼの単位、”歩(ぶ)畝(せ)反(たん)町(ちょう)”を解説!誰でもできる距離測定の裏技を大公開!

農業を営む人々にとって、土地の面積を正確に把握することは非常に重要です。特に田んぼの面積計算には、伝統的に歩(ぶ)、畝(せ)、反(たん)、町(ちょう)といった独特の単位が用いられてきました。今回はこれらの単位の意味や正確な面積の測定方法、面積計算を簡単にする現代のツールまで、知恵や裏技を大公開します。農業を営む方はもちろん、農業に興味のある方も知っておくと便利な情報を解説していきます。

田んぼの単位とは?基本から理解しよう

歩(ぶ)・畝(せ)・反(たん)・町(ちょう)の意味

田んぼの面積単位である歩、畝、反、町とは一体どのような意味なのでしょうか。

1歩(ぶ)は、約3.3平方メートル(1坪)に相当します。1畝(せ)は30歩(約99平方メートル)、1反(たん)は300歩(約991.7平方メートル)、1町(ちょう)は3,000歩(約9917平方メートル)と定義されています。これらの単位は、農業の現場で土地の広さを表す際に広く利用されています。

畝以上は10倍・10倍と大きさが増えていきますね!また、1歩=約3.3㎡(1坪)だけを覚えておけば、1畝はその30倍、1反は300倍、1町は3000倍になります。

ちなみに、例えばどこかの農家から「うちは20町やってるで~(ドヤ」と聞こえてきたら、約60,000坪の面積で農業を営んでいるということになります。

60,000坪を分かりやすく東京ドームの個数で例えると、なんと約4.2個分になります。

メートル法との換算

1951年に施行された計量法によって、日本の計量法はメートル法に統一されました。しかし、田んぼの広さを表す単位としては、歩や畝、反などの尺貫法の単位が現在でも広く使用されています。

歩をメートル法の単位に換算する場合は、以下の式を使用します。

歩数 × 3.3058 ㎡/歩 = 平方メートル

:10歩の田んぼの広さを㎡に変換してみましょう。

10歩 × 3.3058 ㎡/歩 = 33.058 ㎡

よって、10歩の田んぼの広さは約33.058㎡となります。

田んぼ1反の縦横の長さ

広い面積を耕作する農家がよく使う単位は町が反です。田んぼは、正方形ではないことが一般的で縦横の長さは一定ではありません。おおよその目安は以下の通りです。

  • 縦:約100メートル
  • 横:約10メートル

これは、1反の面積(約991.74平方メートル)を縦横の長さに換算した場合の長さです。

実際の田んぼでは、土地の形や区画整理の状況によって、縦横の長さは様々です。

例えば、以下のような場合が考えられます。

  • 長い側が約50メートル、短い側が約19.8メートルの長方形
  • L字型
  • 台形

また、水路や畦道などを考慮すると、実際の耕作可能面積は1反よりも小さくなります。

補足

  • 日本の田んぼは、南北に長いものが多いです。これは、太陽の光を効率的に受けるためと言われています。
  • 近年では、大型農機具を使用するために、区画整理された田んぼが増えています。区画整理された田んぼは、正方形・長方形の形状が多いです。
  • 近年では、国際的な規格としてha(ヘクタール)を使います。計算は簡単で1町(9920㎡)≒約1haと覚えておきましょう。

なぜ田んぼの面積は特殊な単位を使うのか

田んぼの面積を表すために特別な単位が使用される理由は、日本古来の土地測量の歴史に根ざしています。自然環境や耕作技術が発展した背景もあり、農地ごとの特性に応じた細かい単位で土地を区切り、管理することが求められました。その結果、独自の単位が生まれ、今日に至るまで使われているのです。

特に歩は、古くから日本で使用されてきた単位です。奈良時代の律令法にも記載されており、当時は「步」と表記されていました。江戸時代には、土地の面積だけでなく、年貢の量を表す単位としても用いられました。

【裏技】だれでもできる!田んぼの大きさを測定する方法

だれでも田んぼの大きさが測れる「Googleマップ」

従来から農家では、物差しやロープを使用して田んぼの長さと幅を測り、その面積を計算していました。この方法はシンプルですが、地形や田んぼの形状によっては測定が難しくなる場合もあります。もしおおよその大きさを知りたい時は、Googleマップを使ってみてください。

Googleマップで距離を測定する方法

①Googleマップを開きます。

②測りたい田んぼにカーソルを合わせて右クリック

③下部に距離を測定とあるのでクリック

ここで注意点として、いきなりまとめて囲んでしまうと1辺の距離が測定できないので、測りたい箇所のみクリックして距離測定をしてください。

④田んぼの四隅をクリックして面積を測定

囲んだ箇所の面積を自動で計算してくれます。

上記の表示では、総面積が8963.57㎡になっていますね。1反=約992㎡なので

8963.57㎡÷992㎡=9.03

今回試しに測定した田んぼは約9反ということになります。

面積計算を楽にするスマホアプリ

現在では、スマートフォンのアプリが発達しています。また、専用の測定器具を使用して、より簡単かつ正確に土地の面積を測定できるようになっています。

GPS機能を利用したツールは、特に広大な土地を測定する際に役立ちます。専門的な技術を必要とせず、誰でも簡単に面積計算が行える時代となったのです。

スマートフォンやタブレット向けの様々な面積計算アプリが登場しており、GPS機能を活用し手軽に土地の面積を計算できます。例えば「面積計算マップ」というアプリでは、画面上で地図を指でなぞるだけで面積を求めることができ、農家だけでなく一般の方にも便利です。

高度な測定が必要な場合もドローンを用いて空撮し、そのデータをもとに精密な測定を行う方法やレーザー測量機を利用して直線距離や角度を測定する技術もあります。

まとめ:田んぼの単位への理解を深め、より良い農業を

私たち、タナカ農産が福井市東郷地域で栽培している面積は約20町(20ha)になります。前述した通り、約60,000坪・東京ドーム4.2個分を地域を上げて取り組んでいます。

田んぼの単位を正確に把握することの価値

田んぼの単位を正しく理解し、適切に使用することは、効率的な農業経営に繋がります。面積がわかれば、適正な種類や量を計画的に確保でき、作物の品質や収穫量の向上にも寄与するでしょう。

これからの農業における単位の役割と未来

田んぼの単位は今後も農業において重要な役割を果たし続けるでしょう。新しい技術と伝統的な知識が組み合わさることで、より効率的で持続可能な農業の発展が期待されます。田んぼの単位への理解を深めることで、次世代の農業に貢献できると考えています。