「お米がなくなる時代」40年以上前から米の栽培予約に取り組むタナカ農産の挑戦

お米の品種について

1993年「平成の米騒動」──日本中がコメ不足に揺れたあの年

この記事をご覧の皆様は、1993年に起きた平成の米騒動はご存知でしょうか。

日本は戦後最大とも言われる米の供給危機に見舞われました。いわゆる「平成の米騒動」です。これは、私たちの食卓の中心にある「お米」が突然手に入らなくなるという、誰もが予想しなかった出来事でした。

◆何が起きたのか?異常気象がもたらした未曾有の凶作

平成5年(1993年)の夏、日本列島は記録的な冷夏と長雨に襲われました。。

この影響で、日本各地で米の生育が著しく悪化。特に主産地である東北地方では大打撃を受け、全国の作況指数は74」(=「著しい不良」)と、統計開始以来でも稀なほどの不作となりました。生産量は前年の約85%にまで落ち込み、需要に対して供給が圧倒的に足りない状況になりました。

◆店頭からコメが消えた──国民が体験したパニック

その影響は、私たち消費者にもすぐに波及しました。全国のスーパーや米穀店では米の在庫が急速に減少。買い占めや買いだめが発生し、「お米が買えない」という声が各地で上がりました。

一部では配給制に近いかたちでの販売や、ひとり○kgまでという購入制限も導入され、「戦後の物不足時代を思い出した」と語る年配の方も少なくないそうです。

◆政府が取った対策──タイ米の緊急輸入

事態を重く見た日本政府は、戦後初となる外国産米の緊急輸入を決定。特に目立ったのは、タイ米(長粒種)の輸入です。しかし、このタイ米は日本人が普段食べ慣れているジャポニカ米(短粒種)とは風味も食感も大きく異なり、「パサパサしている」「カレーにしか合わない」といった不満の声も多数聞かれました。

一方で、米を混ぜたり炊き方を工夫したりする家庭も登場し、食の多様性が広がるきっかけにもなりました。

◆この経験が残した教訓──安心できる食のために

平成の米騒動は、食の安定供給がいかに脆弱かを私たちに強く印象づけました。

この体験を経て、政府は米の国家備蓄制度の強化や、民間における備蓄米の活用促進など、さまざまな制度を整備しました。また、消費者の間でも「信頼できる生産者から直接買う」「契約栽培に申し込む」などの意識が芽生えました。

いま私たちができること──次の不足に備える

近年では、異常気象や災害、国際情勢による食糧不安が再び注目されています。特に2024年には「令和の米騒動」とも呼ばれる一時的な供給不安が話題になり、「あの1993年を思い出した」という声も聞かれました。

だからこそ、私たちはいま一度、「食の安心」について考え直す必要があります。信頼できる生産者を応援すること、必要な分だけを計画的に購入すること。未来の食卓を守るために、小さな行動が大きな力になります。

30年以上から米の予約栽培に取り組むタナカ農産

30年以上も米栽培とお届けをしていると同じことが起こるのでしょうか。

世間は令和の米騒動で騒いでいる中、社内で見つけたのは「平成の米騒動」時代の新聞でした。

タナカ農産グループでは、40年ほど前から一貫して「安心・安全なお米づくり」に取り組んできました。農薬や化学肥料に極力頼らず、自然と向き合いながら育てられる有機米・特別栽培米。そのこだわりは、精米、そしてお客様へのお届けまで、すべて自社で責任を持って行うスタイルを貫いています。

平成の「米騒動」でも揺るがなかった供給体制

1993年(平成5年)、全国的な米不足で「平成の米騒動」とも呼ばれた未曾有の食料危機。そんな中、タナカ農産グループではいち早く大手新聞社にて広告を出稿。米の精米とお届け体制を整え、予約栽培で確実にお米を届けるという方針を打ち出しました。

写真は、当時の新聞広告や記事の写真です。「世にお米がなくなっても、タナカ農産がある」という安心感を象徴する記録です。

地域ぐるみで進めた特別栽培米、2年で1万人に

タナカ農産グループは、福井市東郷地区の農家と協力し、農薬・化学肥料を抑えた特別栽培米の普及に注力してきました。地域住民や行政、研究機関とも連携し、東郷米ブランドとして全国への販売を強化。

その結果、わずか2年で約1万人の消費者へお米を届ける体制を構築。安全・安心でおいしいお米として、「ふくい東郷米」は全国的な認知を高めています。

この取り組みは、生産者の意識改革や農地の有効活用にもつながり、地域農業全体の底上げをもたらしています。

今も変わらぬ姿勢。だから選ばれる。

近年、異常気象や国際情勢の影響で「お米が手に入らなくなるのでは?」という不安が広がっています。そんな今だからこそ、タナカ農産グループの「予約栽培による安定供給」という仕組みが注目されています。

次年度産米の「予約」を通して、確実にお客様のもとへお米をお届けできる体制は、今後の日本の食を守る一つのモデルケースとも言えます。

「ふくい東郷米」は、味の評価でも高く、全国のお客様から長年愛され続けてきたブランド米。今も、福井の大地と向き合い、変わらぬ姿勢で栽培・販売されています。

私たちの食卓の未来を守るのは、こうした生産者の情熱と信念なのです。

一番ぴったりな気持ちを押してね!

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