おもちは本当に太る？福井県民は知っている「太りにくい」賢い食べ方

お正月や祝い事などで食べる機会の多いお餅。「美味しいけれど、太りそう…」と罪悪感を抱く方も多いのではないでしょうか？

実際、お餅はご飯と比べて太りやすいと言われるのには、科学的な理由があります。しかし、それはお餅のせいではなく、「食べ方」に原因があります。

今回は、お餅が太りやすいとされる理由と、罪悪感なく楽しめる太りにくい賢い食べ方をご紹介します。

なぜおもちは「太りやすい」と言われるのか？

「お正月はお餅の食べ過ぎで太らないようにね！」と言われたことはないですか？

おもちの主成分は、ご飯と同じく炭水化物（糖質）です。
しかし、お餅が「太りやすい」と言われるのには、お餅特有の二つの理由があります。

お餅の主成分であるもち米のデンプン（アミロペクチン）は、構造上、うるち米（ご飯）のデンプンよりも消化吸収が非常に速いという特徴があります。

血糖値の急上昇: 吸収が速いため、食後の血糖値が急激に上がります（高GI食品）。
脂肪蓄積の促進: 血糖値が急上昇すると、インスリンというホルモンが大量に分泌されます。インスリンは、血糖値を下げるために糖を脂肪に変えて体に蓄える働きを促進するため、太りやすくなるのです。

お餅は粘り気が強く、あまり噛まずに飲み込めてしまいます。

満腹中枢の刺激不足: よく噛まないと満腹中枢が刺激されるまでに時間がかかり、結果としてお腹いっぱいだと感じる前に次のお餅に手が伸びてしまい、カロリーオーバーになりがちです。

お餅は、ご飯やパンと比べてカロリーが高め、糖質が多めです。しかし、特別に高カロリーというわけではありません。

たとえば、食パンをそのまま食べる人は少ないはず。バターやジャムを塗ることを考えると、おもちが特別高カロリーというわけでもありません。

お餅が太るかどうかは、「どうやって食べるか」「何をつけて食べるか」と「何個食べるか」にかかっています。

お餅が太りやすい原因は「血糖値の急上昇」と「食べすぎ」。
それらを防止する、太りにくい食べ方のコツをご紹介します。

血糖値の急上昇を抑えるための、最も重要な対策です。

食物繊維を先に摂る: 雑煮を食べる場合は、餅を食べる前に、大根、人参、きのこ、海藻などの野菜や具材を先に食べましょう。食物繊維が胃の中でクッションとなり、糖質の吸収を緩やかにしてくれます。
タンパク質を組み合わせる: 餅の単独摂取を避け、タンパク質を含む具材と食べましょう。例えば、きな粉餅は、きな粉のタンパク質・食物繊維・イソフラボンが血糖値上昇を緩やかにする、比較的優秀な食べ方です。

具だくさんのお雑煮にしたり

お節といっしょに食べたりするといいね

調味料や味付けでカロリーが跳ね上がるのを防ぎましょう。

特に、大根おろしと食べる「おろし餅（からみ餅）」は、大根の消化酵素も手伝って、理にかなった食べ方と言えます。タナカ農産のある福井で親しまれる味つけです。

おろし餅は大人の味

辛さが苦手な人は青首のほうをすりおろしてね

しっぽのほうが辛いよ

物理的に食べすぎを防ぐための重要なポイントです。

意識的に噛む: 飲み込まず、一口あたり30回以上を目安によく噛みましょう。満腹中枢が刺激され、少ない量で満足感が得られます。
量を決める: 小さなお餅3個はご飯1杯分。1食あたり餅2〜3個までと決めておきましょう。これはご飯の食べすぎと同じである、と意識することが大切です。