「お米を食べると太る」は嘘?科学的に証明されたダイエット中のお米の役割と誤解の真相

お米のうんちく

ダイエット中、真っ先に「やめるものリスト」に入れられがちなご飯(お米)。

おいしいのに……

「お米は太る」「炭水化物は敵」——そんなイメージが定着していますが、実はこれ、大きな誤解です。科学的な視点で見ると、お米はむしろ健康的なダイエットを成功させるための最強のサポーターであることがわかります。

この記事では、まず「お米が太る」というイメージがどこから来たのかを徹底解明し、次に、お米を味方につけるための賢い食べ方をご紹介します。

パンドラの箱を開ける:「お米は太る」イメージの起源

なぜ、日本人の伝統的な主食であるお米が、いつの間にかダイエットの敵になってしまったのでしょうか?

糖質制限ブーム以前からあった「経験則」の誤解

糖質制限ブームが起こるずっと前から、「ご飯を食べすぎると太る」という意識は根強くありました。これは、主に以下の理由による経験則に基づいています。

カロリー源の象徴だった

お米は安価で満腹感を得やすい、「カロリー源の王様」でした。現代ほど栄養知識がなくても、「たくさん食べれば太る」という認識から、ご飯の食べ過ぎが肥満の主原因だと見なされやすかったのです。

活動量とのミスマッチ

昔、ご飯を山盛り食べたのは、肉体労働で大量のエネルギーを消費する人たちです。デスクワーク中心の人が同じ量を食べれば、エネルギーが余り太るのは当然のことで、これが「ご飯を食べると太る」という経験則を強化しました。

『雨ニモマケズ』の「一日に玄米四合」は質素な食事の象徴

でもお茶わん8杯分のご飯だから、現代人からすると多いよね

決定打となった「糖質制限」のブーム

経験則に拍車をかけたのが、数年前の「糖質制限ダイエット」の流行です。

  • 拡散された論理: 炭水化物(糖質)を摂ると血糖値が上がり、過剰な糖が脂肪になる。→ 糖質が多いお米は危険!
  • 専門家の見解: 糖質を極端にカットして体重が減るのは、脂肪ではなく水分や筋肉が抜けた影響がほとんどです。むしろ、基礎代謝を下げてリバウンドしやすい体を作ってしまうリスクがあります。

真犯人は「おかず」と「脂質」だった

最終的に、肥満の増加の真犯人は、お米ではなく、食生活の欧米化による「高脂質食」への移行でした。

  • 脂質のカロリー効率: 炭水化物(お米)は 1g あたり約 4kcal ですが、脂質は 1g あたり約 9kcal と、カロリー効率が段違いです。
  • 結論: お米を減らした代わりに、揚げ物や油っぽいおかずを増やすと、あっという間にカロリーオーバーです。太る真犯人は、お米と組み合わせる高脂質なおかずであることがほとんどです。

おいしいものが高カロリーなのは鉄則

食の欧米化とともにカロリーオーバーが進んだんだね

科学的根拠:お米がダイエットに欠かせない3つの理由

カロリーオーバーを防ぐために食事を、特にごはんを減らす……これはあまりにもったいない考え方です。

お米には、ダイエットを強力にサポートする、他の主食にはない優秀な特性があります。

理由1:調理シンプルゆえの「低脂質」

お米は、基本的に水だけで炊き上げるため、脂質が極めて少ないのが特徴です。

パンやパスタのように調理過程でバターや油が加わりにくく、カロリーコントロールがしやすい、最もクリーンなエネルギー源なのです。

理由2:腹持ちが良く、過食を防ぐ

お米に含まれるデンプンは消化に時間がかかります。

  • 持続的な満足感: 血糖値の上昇が緩やかで、エネルギーがゆっくり放出されるため、腹持ちが非常に良いです。
  • 間食の予防: 満足感が持続することで、小腹が空いてお菓子や甘いものに手が伸びるのを防いでくれます。

理由3:冷やご飯で生まれる「レジスタントスターチ」の力

一度炊いたお米を冷ますと、デンプンの一部が「レジスタントスターチ(難消化性デンプン)」という成分に変化します。

  • 効果: 糖の吸収を穏やかにする、腸内環境を整える、便秘を解消する。
  • 活用法: お弁当やおにぎりなど、冷やご飯として食べることで、このダイエット効果を最大限に引き出せます。

レジスタントスターチについて詳しくはこちらをどうぞ

冷やご飯はダイエットにも良い!?腸にも嬉しい「レジスタントスターチ」
ダイエットの味方「冷やご飯」実は冷やご飯は、ダイエットの味方だということをご存知でしたか?ごはんを炊いて冷ますことで、でんぷんが再結晶化し、体内で消化されにくくなる性質を持つ「レジスタントスターチ」という難消化性でんぷんが増加します。この「...

お米を食べるなら注意!「お米ばかり」の落とし穴

ただし、「お米は太らない」という真実を盾に、お米ばかりを過剰に食べるのは危険です。

カロリーオーバーで太る(正論)

どんな食べ物でも、1日の消費カロリーを超えて食べれば、当然太ります。大事なのは適量を守ることです。

消費カロリーより摂取カロリーが多けりゃ太ります

栄養バランスが崩壊する


(農林水産省「お米と健康・食生活」より)

お米の栄養成分は炭水化物がほとんどを占めています。
お米ばかりを食べて、おかずを極端に減らすと、たんぱく質、ビタミン、ミネラル、食物繊維が決定的に不足します。

  • 影響: 筋肉が落ちて基礎代謝が低下し、かえって太りやすく、病気になりやすい体になってしまいます。

✅ 結論:お米は「土台」、おかずで「補完」が黄金比

1食あたり、ご飯はどれくらい食べるべき?

ご飯はダイエットで食べるべきだけど、食べすぎてはダメ。
ではどのくらい食べればいいのでしょうか?

日本人の食事摂取基準2020年版」(p84)によると身体活動レベルII(普通)では、1日の必要カロリーが18~29歳男性で2,650kcal、30~49歳男性で2,700kcal、18~29歳女性で2,000kcal、30~49歳女性で2,050kcalです。

そのうち約6割を主食(ご飯)で摂取する場合、ご飯の量は18~29歳男性で1,019g、30~49歳男性で1,038g、18~29歳女性で769g、30~49歳女性で788gです。
(ご飯100gあたり156kcalで計算)

ごはん茶碗1杯約150gですから、1日あたり18~29歳男性と30~49歳男性で6~7杯、18~29歳女性と30~49歳女性で5杯と少しくらいです。

成人男性で1食あたり約2杯分、成人女性で1食あたり1杯半くらいが適量です

活動量や年齢、個人の体質によって適量は変わりますが、参考にしてください。

ご飯をしっかり食べれば、ついついおやつに手が出るのも防げるよ

健康的な食事とは

健康的なダイエットの鍵は、お米をベースとして、それを野菜や良質なたんぱく質(魚、肉、大豆製品)で補う「一汁三菜」のバランスに戻すことです。
下記は1日あたりの食事バランスの目安です。参考にしてください。

農林水産省より栄養摂取目安
農林水産省「食育ナビ 食事バランスガイド早わかり」より)

ご飯などの主食に加えて、野菜のおかずなどの副菜、魚やお肉などの主菜、乳製品、果物をバランスよく食べましょう。

野菜たっぷりのお味噌汁があると

栄養もとれて満腹感が出るからおすすめ

実践!ダイエットを加速させる「お米の賢い食べ方」

ダイエットを成功させるための具体的な食べ方をご紹介します。

  • ① 食べる順番を徹底する: 血糖値の急上昇を防ぐため、「野菜・汁物 → たんぱく質(おかず) → お米」の順に食べる。
  • ② 主食をミックスする: 白米に玄米、もち麦、雑穀などを混ぜて炊き、食物繊維とビタミンを補強する。
  • ③ 夕食は控えめ、朝昼にしっかり食べる: 活動量が少ない夕食は控えめに。エネルギー消費が多い朝食や昼食に、しっかりお米を食べる。

「お米は太る」という呪縛から解放され、今日からお米を最高のパートナーとして、健康的で持続可能なダイエットを成功させましょう!

ダイエットには、食物繊維が多い玄米が適しています

ビタミンなどの栄養素も豊富だよ

▼ お米の状態で選ぶ,玄米-安心で美味しい農家直送米[有機JAS認証米・無農薬米通販サイト]
「タナカ農産グループ 安心で美味しい農家直送米−」で取り扱う商品「▼ お米の状態で選ぶ,玄米」の商品を一挙ご紹介!米どころ福井県で地域をあげて栽培している高級ブランド米「ふくい東郷米」や特産品、地元からも長く愛されている逸品を全国のみなさま...
★健康十穀 30g×10袋-タナカ農産グループ 安心で美味しい農家直送米−
●三種類の豆の甘みと噛むほどに広がる七穀の旨み。●焙煎してあるため、軟らかく炊きあがります。【雑穀の栄養】ビタミンやミネラル、食物繊維がたくさん含まれています。黒豆:黒い皮の色素にはアントシアニンを含む。小豆:サポニンを多く含むほか、ビタミ...
★穀物専科 25g×10袋-タナカ農産グループ 安心で美味しい農家直送米−
●ゴマの香ばしさと程良い歯ごたえ、五穀のおいしさが味わえます。●お弁当にも最適です。【雑穀の栄養】アマランサス:白米の28倍のカルシウム、50倍の鉄分、カリウムを豊富に含む。白ゴマ:たんぱく質、鉄分、カルシウムを含む。もちきび:ビタミンB1...

一番ぴったりな気持ちを押してね!

Loading spinner